メカトロニクスって何だろう
メカトロニクス(Mechatronics)とは
メカトロニクスと聞いて、どんなことを思い浮かべるでしょうか?
- メカニクス(Mechanics)とエレクトロニクス(Electronics)の合成語
- 機械工学、電気工学、電子工学、情報工学の技術を融合させた分野
- 機械を電気で動かすこと
- 機械と電気とソフトを組み合わせた製品
- 工場自動化
- 機電一体
様々な解釈や認識がありますが、メカトロニクスは主に下記の4要素で構成されています。
- 制御したい対象の情報(位置や速度、画像情報、温度、圧力等々)を
- センサで計測し
- 計測した情報をある目的に応じて処理して
- アクチュエータで制御対象を思い通りに操作する
以下に簡単な例を挙げてみます。
エアコン(Air Conditioner)
今やどの家庭にも1台はあるような必需品ですが、メカトロニクスの技術が使われています。
上記の4要素に照らし合わせてみると、
- 室内の温度を
- 温度センサで計測し
- 計測温度を設定温度と比較して、その偏差を減らすように
- 室外機にある圧縮機を動かすことで冷気を作り、ファンを回して風速や風向を制御する
他にも多機能なエアコンでは、赤外線センサやカメラによって家具の配置等の部屋情報を取得して、最適な風速・風向を作り出すなどの機能もメカトロニクスの一種ですね。
自動車(Vehicle)
日本が誇る一大産業の自動車もメカトロニクス技術が盛り込まれています。特にモータで動かす電気自動車と、モータとエンジンの両方を持つハイブリッド車は、メカトロニクス技術の結晶といってよいでしょう。逆にエンジンのみをもつ自動車は機械技術の結晶とも言えます。
エンジン車にも用いられている自動車のメカトロニクスの一つに、電動パワーステアリングというものがあります。
電動パワーステアリングは、進路を変更するためにハンドルを回す際に、腕の力だけではタイヤを回せないため、モータの力で回してあげよう、といった装置です。これを4要素にまとめてみますと、
- ハンドルを回す力を
- トルクセンサで計測し
- その力を何倍にも増幅するように
- モータで回す力をアシストする
といった感じでしょう。
もちろん、近年話題の自動運転機能もメカトロニクスの一つです。あまりにも盛り込み過ぎて紹介しきれません…
HDD(Hard Disk Drive)
最期に、ここまで比較的大きなものを見てきたが、小さいものとしてPCの記憶装置であるハードディスクドライブ、HDDを紹介します。
HDDは、磁性体が塗布された回転する円盤(プラッタ)に対して、磁気ヘッドを近づけることで情報を読み取っている。
磁気ヘッドをプラッタの所定の位置に高速に動かす必要があるが、その際に振動が発生してしまい、ヘッドが所定の位置に留まるまでに時間がかかる場合がある。
ここでメカトロニクス的な技術が使われている。これを4要素にまとめてみると、
- 磁気ヘッドを現在位置と速度を
- 位置センサで計測(もしくは推定)し
- 振動を効率的に抑えるように
- 磁気ヘッドを動かすモータへの電流を制御する
このように、様々な製品でメカトロニクスな技術が用いられています。電気で動く製品すべてにメカトロニクス的な技術が使われているわけではないですが、探してみると面白いでしょう。