メカトロニックなカメ

メカトロニクス技術者になりたいカメです

下三角行列をQR分解したい

// モチベーション 三角行列は通常の正方行列と比べ、要素数が\(\frac{n(n+1)}{2}\)(\(n\):行列のサイズ)と少ないため扱いやすい。 それなら通常は数値的に解くことの多いQR分解を、解析的に解いた場合にきれいに解くことができるかも \(2\times 2\)下三角行…

ナイキストの安定判別法の解釈

// 背景 制御工学における安定性を検証するために、ナイキストの安定判別法が良く用いられる。ナイキストの安定判別法のメリットとして、 モデル化が必要なく、周波数応答さえ取得できれば安定性の判別が可能 連続系と離散系、無駄時間が複合するようなシス…

モータの仕様書を眺めてみる

// 背景 実際にモータを購入した使用する場合に仕様書を必ず眺めるでしょう。しかしモータメーカー各社によって仕様書の記載方法が違うため、見方がわからないことがまあまああるでしょう。特に制御を行う上で重要なのがトルク定数と逆起電力定数なのだが、…

なぜ伝達関数にs=jωを代入するのか

// 背景 1自由度振動系の運動方程式は次式のように表される。 \begin{align}m\cfrac{d^2x}{dt^2}+c\cfrac{dx}{dt}+kx=f \end{align} 上式をラプラス変換すると以下のような伝達関数が得られる。 \begin{align}G(s)=\cfrac{X(s)}{F(s)}=\cfrac{1}{ms^2+cs+k} …

モータブレーキの原理

// 前準備 1自由度回転振動系の運動方程式は次式のように表される。 \begin{align}J\cfrac{d^2\theta}{dt^2}+C\cfrac{d\theta}{dt}+K\theta=N \end{align} モータブレーキとは モータブレーキは永久磁石式モータが装着された運動系に対し、モータの端子間を…

ヒステリシス減衰におけるモード分解と周波数特性

// 前準備 \(\boldsymbol{M}\)を質量行列、\(\boldsymbol{C}\)を減衰行列、\(\boldsymbol{K}\)を剛性行列、\(\boldsymbol{x}\)を位置ベクトル、\(\boldsymbol{f}\)を外力ベクトルとしたとき多自由度振動系の運動方程式は次式のように表される。 \begin{align}…

いろいろな減衰

// 前準備 \(\boldsymbol{M}\)を質量行列、\(\boldsymbol{C}\)を減衰行列、\(\boldsymbol{K}\)を剛性行列、\(\boldsymbol{x}\)を位置ベクトル、\(\boldsymbol{f}\)を外力ベクトルとしたとき多自由度振動系の運動方程式は次式のように表される。 \begin{align}…

剛体モードを持つ振動系へのモード分解

// 前準備 \(\boldsymbol{M}\)を質量行列、\(\boldsymbol{C}\)を減衰行列、\(\boldsymbol{K}\)を剛性行列、\(\boldsymbol{x}\)を位置ベクトル、\(\boldsymbol{f}\)を外力ベクトルとしたとき多自由度振動系の運動方程式は次式のように表される。 \begin{align}…

モード分解の数値例

// 前準備 \(\boldsymbol{M}\)を質量行列、\(\boldsymbol{C}\)を減衰行列、\(\boldsymbol{K}\)を剛性行列、\(\boldsymbol{x}\)を位置ベクトル、\(\boldsymbol{f}\)を外力ベクトルとしたとき多自由度振動系の運動方程式は次式のように表される。 \begin{align}…

モード分解とモード形式とは

// 前準備 次式のような2自由度の振動系を考える。 \begin{align} m_1\cfrac{d^2x_1}{dt^2}+c_1\cfrac{dx_1}{dt}+k_1x_1(t)+c_{12}\cfrac{d(x_1-x_2)}{dt}+k_{12}(x_1-x_2)=f_1(t)\\m_2\cfrac{d^2x_2}{dt^2}+c_2\cfrac{dx_2}{dt}+k_2x_2(t)+c_{12}\cfrac{d(x…

1自由度振動系のお話 その4

// 1自由度振動系のお話 その1 - メカトロニックなカメ(無次元化について) 1自由度振動系のお話 その2 - メカトロニックなカメ(周波数応答・過渡応答について) 1自由度振動系のお話 その3 - メカトロニックなカメ(状態方程式について) の続き 復…

1自由度振動系のお話 その3

// 1自由度振動系のお話 その1 - メカトロニックなカメ(無次元化について) 1自由度振動系のお話 その2 - メカトロニックなカメ(周波数応答・過渡応答について) の続き 復習 質量を\(m\)[kg]、ばね定数を\(k\)[N/m]、減衰係数を\(c\)[Ns/m]、位置を\(…

1自由度振動系のお話 その2

// 1自由度振動系のお話 その1 - メカトロニックなカメの続き 復習 質量を\(m\)[kg]、ばね定数を\(k\)[N/m]、減衰係数を\(c\)[Ns/m]、位置を\(x(t)\)[m]、外力を\(f(t)\)[N]とすると、一自由度マスばねダンパ系の運動方程式は下記のようになります。 \begi…

1自由度振動系のお話 その1

// 振動工学や制御工学を学ぶ際に必ず出てくる制御対象として、マスばねダンパで構成された1自由度振動系。今回はここを深堀してみます。 質量を\(m\)[kg]、ばね定数を\(k\)[N/m]、減衰係数を\(c\)[Ns/m]、位置を\(x(t)\)[m]、外力を\(f(t)\)[N]とすると、下…

メカトロニクスって何だろう

メカトロニクス(Mechatronics)とは メカトロニクスと聞いて、どんなことを思い浮かべるでしょうか? メカニクス(Mechanics)とエレクトロニクス(Electronics)の合成語 機械工学、電気工学、電子工学、情報工学の技術を融合させた分野 機械を電気で動かすこと …